【マーチングバンド解体新書】いつまでも色褪せぬ団体であるように「Tokushima Indigoes Drum & Bugle Corps」

「知ってるようで知らないマーチングバンド、ドラムコーの現状」を団体関係者に直接インタビューし、正しい情報を広く詳しく発信する【マーチングバンド解体新書】シリーズ。

今回は、2024年度で結成27周年を迎える『Tokushima Indigoes Drum & Bugle Corps』を紹介したい。日頃の活動や今後の展開について、代表の韮沢裕康(にらさわ・ひろやす)さんにお話を伺った。

マーチングバンド解体新書 過去記事はこちら

 

Tokushima Indigoes Drum & Bugle Corpsについて

団体正式名称:Tokushima Indigoes Drum & Bugle Corps(とくしまインディゴゥズ ドラムアンドビューグルコー)
団体所在地:徳島県徳島市
創設年: 1997(平成9)年
団体の編成:ブラス(※)、パーカッション(バッテリー+ピット)、カラーガード
※いずれもG管ビューグルで、Sop,Mello,Baritone,Euph,Contra
活動理念:地域に根ざした活動をモットーに、徳島名産の藍染(Indigo)のようにいつまでも色褪せない団体であること

徳島県と香川県で開催された1993(平成5)年の『第48回国民スポーツ大会(東四国国体)』の際、開催地域にある複数の学校の吹奏楽部が集まって演奏を行った。それが契機となって徳島県内でマーチング活動が盛んになり、その流れを受けて「高校卒業後や社会人になってもマーチングが楽しめる受け皿に」と発足したのがインディゴゥズだ。発足以降から変わらずDrum&Bugle Corpsスタイルを貫き、大会実績や地域イベントなども豊富なバンドだ。

韮沢:発足時、「バッテリーがマーチングパーカッションを使うのであればブラスだってG管ビューグルを使うのが筋だろう」ということでビューグルを採用しました。年々使用団体は減ってきていますが、うちは変える予定はありません。これからもこのスタイルでやっていきます。

 

他の団体にはない「インディゴゥズならでは」なエピソード

ショーで使用するプロップや衣装、手具をチーム関係者で自作するという話はよく聞くが、インディゴゥズは楽器を作ったことがあるそうだ。

韮沢:2009(平成21)年でしょうか、コンサートバスドラムとツリーチャイムを自作しました。ショーで使う予定でしたが、購入資金がなくて……ないなら作ろうの精神です。ちなみに自作した楽器は今でも現役で活躍しています。


2022(令和4)年『第50回マーチングバンド全国大会』にて撮影

確かに大会で撮影した写真にも写っていた。創意工夫やDIYで乗り切る逞しさには脱帽だ。

 

関係者が答えます!活動状況Q&A

1.練習について

Q.全体練習の頻度はどれくらい?
A.週1回(土日どちらかなど)+祝祭日

Q.練習場所はどんな場所?
A.屋内

 

2.メンバーについて

Q.現在所属しているメンバーは何名いますか?
A.36名(2023年度)

Q.所属メンバーの平均年齢を教えて下さい
A.25~28歳

Q.所属メンバーの中で「一番多い」属性はどれですか?
A.社会人(フリーターを含む)

Q.所属メンバーの居住地について教えて下さい
A.団体所在地「内」の都道府県から通っている

韮沢:メンバーの2/3弱が徳島県民で、1/3が他県在住です。香川県や愛媛県だけでなく、遠くは京都府や大阪府、兵庫県神戸市や岡山県から通っているメンバーもいます。京都からは車で3時間くらいでしょうか。22年度は25周年の演奏会でOBOGの参加があったこともあり、23年度は「出戻り」メンバーの参加も多かったことがあり、平均年齢は少し高めになったと思います。インディゴゥズは出戻り大歓迎です。事情があって一度団体を離れてたとしても、いつでも戻ってきやすい環境を心がけています。

 

3.実際に加入するためには

Q.年齢制限はありますか? 
A.参加は中学生以上~上限なし ※未成年は保護者の同意が必要

Q.加入に際してオーディションを行っていますか?
A.行わない(未経験も可)

Q.一年間でメンバーが団体に支払う費用は概算でどれくらい?
A.加入した際に発生する費用については下記の通り

インディゴゥズの活動費(基本費用)は、社会人4千円/月、大学・専門学校等3千円/月、中・高校生4千円/月。ビューグル、パーカッションのメンバーは、楽器レンタル代2千円/年(隊楽器使用者のみ)と、衣装購入代2千円/月(全36回、購入ではなくリースも可。シューズ、スティック・マレットは個人負担)となる。カラーガードはカラーガード費として2千円/月(シューズ、グローブ、ライフル等は個人負担)が発生するとのこと。また、オフィシャルTシャツやオフィシャルジャケットも別途購入となる。加えて、年間の遠征費として12万円程度(活動内容に応じて変動あり)がある。

例えば、ビューグルパートの社会人メンバーで、衣装と楽器をレンタルする場合は、活動費(4千円/月)+楽器レンタル(2千円/月)+衣装リース(2千円/月)で、年間9万6千円になる計算だ。

Q.その他、活動参加に際し必要な条件があれば教えて下さい
A.年度末まで参加する事(途中脱退は認めない)

 

日頃の活動や今後について聞いてみました

Q.普段、どのような本番に参加していますか?
A.
・日本マーチングバンド協会(M協)主催大会
・マーチングインオカヤマ
・地域イベント(地元のお祭りなど)
・スポーツイベント(プロチーム主催ゲームのゲスト演奏など)
・演奏会などの自主公演

韮沢:大会のほか、地域イベントにも参加しています。徳島県の上勝町という地域は棚田が有名で、その棚田を舞台に屋外で演奏する『棚田の音色~大地にささげる音楽祭~』というイベントには毎年出演させていただいています。そのほか、徳島県を本拠地に活動するプロスポーツチームのイベントにも出演させていただいています。野球は徳島インディゴソックス、サッカーは徳島ヴォルティスがあります。

Q.将来的に挑戦したい(または現在企画している)ものがあれば教えてください
A.
自主事業(コンサートやイベントなど自ら企画し実施するもの)の開催
・動画や写真などのコンテンツ制作

Q.いま一番困っていることは何ですか
A.メンバー数

韮沢:四国だけでなく、中国地区、関西地区で活動人口が減っていて、メンバーの獲得に苦戦しています。以前は日本全国に大小さまざまなバンドがたくさんあって、自分たちが発足したときには「先輩方がたくさんいて心強いな」と思っていたのですが……。徳島では『マーチングフェスタin徳島』という徳島県内の学校団体や一般団体が参加するイベントが20年くらい前から定期的に開催されているのですが、イベントが始まった当初と比べて現在は参加団体が大幅に減ってしまい、どうしても寂しさを感じますね。だからこそ、インディゴゥズは一度団体を離れたメンバーの「出戻り歓迎」の姿勢でいます。

インディゴゥズでは現在2024年度メンバーを絶賛募集中だ。真剣に大会に臨んだり、スポーツや地域のイベントに参加したり、演奏会にも全力で取り組んだりと活動の幅は広く、やりがいは大きいだろう。募集締切は2024年4月28日(日)予定とのことなので、新規加入はもちろん出戻りを検討している人は、なるべく早めに問い合わせることをおすすめする。

Tokushima Indigoes Drum & Bugle Corps

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