1-1:GENESIS collection
指揮台に上がったドラムメジャーが「3・2・1」とキューを出すと、ミラーボールが輝き、昭和の歌番組のような華やかなオープニングが始まる。
『THE MUSIC SHOW(2013)』、『WHO(2018)』、『TO:KYO~The past to the new day(2017)』などのGENESIS歴代ショーから構成されたプログラムで、人気ポップス曲をGENESISならではの軽快なアレンジで繰り広げる。
懐かしのあの歌謡曲や、往年の人気番組のテーマ曲が怒涛の勢いで押し寄せ、昭和~平成世代の観客の心を鷲掴みにする。
美しくも力強いメロディーと、きらびやかなスクリーン映像が相まって感動的なラストを迎えた。まさに、最初からクライマックスである。
1-2:Groove station
次に始まったのはPercussionステージ。今度はZ世代のツボをくすぐる2021年の流行曲メドレーだ。
K-POP、アイドルソング、人気アニメソング……聞いているだけで2021年のトレンドを振り返ることができるタイトルが次々と展開される。
このプログラムではバッテリーパーカッションとフロントピットの他に電子楽器も加わっており、グルーヴ感はもちろん楽曲の奥行きや表現力もパワーアップしていた。
1-3:Graphite
これまでのポップな雰囲気から一転、クラシックの演奏会のようなシックなステージに様変わり。この振り幅もGENESISの魅力の一つだ。
1-4:GAMing Party
アンサンブル終了後、ホールにピコピコした電子音が鳴り響く。ステージに色とりどりの衣装を纏ったメンバーが現れた!(このあとバトルが行われ、無事ゲットされる)
かと思えば、今度はサイリウムを両手にキレのあるヲタ芸を披露する。このプログラムは人気ゲーム曲をテーマにしたダンスパートだ。カラーガードだけでなく、ブラス、バッテリー、ピットのメンバーも参加している。
ダンスが本業ではないメンバーがいるにも関わらず、結構本格的な振り付けであることにも驚いた。また、やっている本人たちが非常に楽しそうな様子だったことがとても印象的だった。
1-5:カエルの歌を感動的にしてみた
今回のLIVEでは、場面転換時に「とある女先輩と男後輩の甘酸っぱいストーリー」が展開されていた(内容は来場者のみのお楽しみとさせていただきます)のだが、ストーリー中に雨が降ってきた、というシーンでステージ上にメンバーが現れる。
一人の男性がメンバーの列の前を右往左往しながら、手のひらをこすり合わせたり指を鳴らしたり、中腰になって膝を叩いたりと指示を出していく。指示通りにメンバーが端から端へ順に行動すると、ボディパーカッションの要領で音が鳴る。
サーッと降る霧雨、パラパラと傘を叩く小雨、ザーザー降る土砂降り、そして時には雷の音が降り注ぐ。背景のスクリーンに映し出される映像と、見事な表現に思わず惹き込まれる。終盤は観客も巻き込んで、「雨音」が一つになってホール中を満たしていく。
雨音が静寂を呼び、静まり返ったホールにピアノの生演奏が響く。それをBGMにカラーガードが踊り、ラストはステージ上に雨上がりの虹が現れる。まさに「感動的」なエンディングだ。観客も参加することでより一層楽しめ、不思議な没入感のあるプログラムだった。
1-6:Les Misérables
前半最後はマーチングでもお馴染みのあのプログラムだ。重厚感のあるサウンドが鳴り響き、場内は19世紀の世界へと一変する。
一人ひとりの演奏技術がしっかりしているので、ホールの音響も相まって非常に安定感とまとまりがあるサウンドに感じられた。
「本当にLIVEの1プログラムか?」と思えるほどのクオリティ。カラーガードの表現力や楽曲の理解度も素晴らしい。
このプログラムでは照明や背景映像も非常に効果的だった。楽曲やストーリーから想像する世界観を可視化してくれるようで、知っている曲でも普段より楽しめたと感じられた人も多かったのではないだろうか。
拍手喝采の中で前半が終了した。もうこの時点でかなりの満足度だ。