【マーチングバンド解体新書】伝統校の歴史を次世代へ繋ぐ 押忍!「東京実業高校 Phoenix Regiment Drum&Bugle Corps」

「知ってるようで知らないマーチングバンド、ドラムコーの現状」を団体関係者に直接インタビューし、正しい情報を広く詳しく発信する【マーチングバンド解体新書】シリーズ。

今回は東京都大田区の『東京実業高等学校 Phoenix Regiment Drum&Bugle Corps』を紹介したい。

今回は学校へ直接伺い、顧問を務める中村大(なかむら・まさる)先生のほか、現役メンバーへインタビューを実施。伝統校ならではのエピソードも飛び出した。

※取材日は2021年10月下旬

マーチングバンド解体新書 過去記事はこちら

東京実業高等学校Phoenix Regiment Drum&Bugle Corpsについて

団体正式名称:東京実業高等学校 Phoenix Regiment Drum&Bugle Corps(トウキョウジツギョウコウトウガッコウ フェニックスレジメント ドラムアンドビューグルコー)
団体所在地:東京都大田区
創設年:1978年
団体の編成:ブラス、バッテリー、フロントピット、カラーガード活動理念:学校教育としてのクラブ活動を前提に、全国大会を目指す中から得られる「チームワーク」「忍耐」「達成感」「悔しさ」などから人間形成や生活態度を学ぶ

東京実業高校は1922(大正11)年に創立され、2022(令和4)年には100周年を迎える伝統校。創立後しばらくは共学だったが、1985(昭和60)年から男子校に。その後、2001(平成13)年に再び共学化された。

マーチングバンド部の前身である吹奏楽部は1978年(昭和53)年に設立されたので、創設時メンバーには女子部員もいたという。

中村:「1978年の発足当時は『タイガーマーチングバンド』という名称で活動していました。現・マーチング協会の大会に出場するようになってから『フェニックスレジメント』に呼称を変更しています。1983(昭和58)年に全国大会初出場を果たしました」

他の団体にはない「東京実業ならでは」なエピソード

東京実業の特徴と言えば、高校の部活動では珍しい『G管ビューグル楽器』を長年使用していたことだろう。現在は♭B管のマーチングブラスに刷新されたが、1989(平成元)年から2019(令和元)年まで使用していた。

また、演奏本番前に行う「押忍!」から始まる声出しを連想するマーチングファンも少なくないのではないのではないだろうか。これは、「以前顧問を務めていた故・有田幹雄先生が東京都大学吹奏楽連盟(大吹連)の加盟校出身だったことから来ている(大学の応援団の声出しがルーツ)」とのことだった。

関係者が答えます!活動状況Q&A

1.練習について

Q.全体練習の頻度はどれくらい?
A.基本的に毎日

Q.練習場所はどんな場所?
A.屋内

中村:「大会シーズンのため練習はほぼ毎日3時間程度行っています。近隣に住宅が多いため校内での練習は窓を完全に締め切った状態での実施、大会前のドリル練習は近隣の体育館などを使用しています」

2.メンバーについて

Q.現在所属しているメンバーは何名いますか?
A.31~40名

中村:「2021年度は31名で、1/3が女子部員です。今年度は新入部員の勧誘活動どころか、コロナ禍でクラブ活動や部活動紹介などが行えず、新入部員の獲得に支障が出てしまいました。コロナ以前は大田区内の近隣の中学校などとの交流などもあったのですが、そういう行事なども中止になってしまったのも影響しています」

Q.所属メンバーの居住地は…
A.団体所在地「内」の都道府県から通っている

Q.新規加入者は例年何名くらいいますか?
A.10~20名

Q.退団者(シーズン途中を含む)は例年何名くらいいますか?
A.~10名

3.実際に加入するためには

Q.加入に際しオーディションを行っていますか?
A.行わない(未経験も可)

中村:「オーディションは行っておらず、初心者も歓迎しています。今年入部した中では初心者は半分くらいいました。神奈川県から通学する生徒も多いので、部員の中には潮田中学校(横浜市鶴見区)や西谷中学校(横浜市保土ヶ谷区)出身のマーチング経験者もいます」

Q.一年間でメンバーが団体に支払う費用は概算でどれくらい?
A.21~25万円

※この金額はその年のショーに掛かる費用(衣装やプロップの制作費、ドラムのヘッドなどの消耗品費、コーチへ支払う謝礼等)+合宿費等の総額であり、年度によって変動するとのこと。部費を月ごとに徴収することはなく、外部体育館の使用費や楽器運搬車両などは学校負担。

コロナ禍での活動について聞いてみました

Q.2020年はどのような活動を行いましたか?
A.練習を行い、大会にも参加した(オンライン参加や、任意のメンバーのみで行うアンサンブル等も含む)

Q.2021年度の活動はどのように行う予定ですか?
A.練習を行い、大会にも参加予定(オンライン参加や、任意のメンバーのみで行うアンサンブル等も含む)

Q.2020年度の大会参加状況について教えて下さい
A.参加予定で、予定どおり出場した

Q.2021年度の大会参加予定について教えて下さい
A.可能な限り参加予定

Q.コロナ禍で困っていることは何ですか?
A.
・練習場所が確保できない
・人前で演奏演技を披露する機会が減った、またはなくなった(大会を含む)
・練習回数や大会の減少による影響で演奏演技の技術が低下した
・メンバーのモチベーション維持

中村:「2020年は夏くらいまでは活動休止でした。学校自体、6月は一ヶ月休校でした。二学期に入ってからようやく練習ができるようになりましたが、時間の制限などはありました。前年実績から全国大会には出場することが出来たので、大会用ビデオ撮影を行いました。あとはJapan Cupの出場と、21年3月に定期演奏会を実施しました。このような状況下ですが、練習してきた成果を披露する場所をできる限り作ってあげたいと考えています」

東京実業の現役メンバーに直接聞いてみました

2021年11月14日(日)開催予定のM協・関東大会出場に向け、練習に励む現役メンバーから話を伺った。

※撮影時のみマスクを外していただきました

横田匡祐(よこた・きょうすけ)さん
所属パート:トランペット
マーチングはいつから?:高校に入学してから
学年:3年生(主将)

横田:「今のメンバーは比較的大人しい性格の人が多いですが、いざショーになると表現力を発揮する『マーチング好き』の集まりです。今年のショーは『昔と今の良さを大切にする』というテーマがあるので、昔のような熱い勢いと、今の自分達が音楽を楽しんでいる気持ちを表現できればと思っています。関東大会は激戦ですが、みんなで乗り越えたいです」

※撮影時のみマスクを外していただきました

山田裕太(やまだ・ゆうた)さん
所属パート:カラーガード
マーチングはいつから?:高校に入学してから
学年:3年生

山田さんは主将の横田さんと地元が一緒で、小・中学校は横田さんと同じ野球チームに所属していた。高校は部活動に入らないつもりだったそうだが……

山田:「横田くんと一緒に行った部活見学でカラーガードを見て興味を持ち入部しました。今は野球よりマーチングが楽しいです! 野球で得た声の大きさと下半身の強さは今に活きています」

※撮影時のみマスクを外していただきました

倉谷あいみ(くらや・あいみ)さん
所属パート:ユーフォニウムマーチングはいつから?:小学校3年生
学年:2年生

倉谷さんは小3でマーチングを始め、中学校でトロンボーンを担当。高校からはフロントベルのユーフォニウムを任された。

倉谷:「マーチングをやりたくて東京実業に入学しました。昨年は大会中止などもあり、高校入学後に大きな大会でショーをやるのは今年がほぼ初めてです。3年生の夢を実現できるように、2年生として支えていきたいと思っています」

 

校舎内には、マーチングバンド部がこれまでに獲得してきた多くのトロフィーや盾、賞状などがずらりと展示されていた。2021年の関東大会、特に高等学校の部・小編成は全国大会出場常連校がひしめく超激戦区だ。関東大会では部員全員が最高のパフォーマンスを披露し、ここにまた新たなトロフィーを持って帰ってこられることを期待している。

「東京実業高等学校 Phoenix Regiment Drum&Bugle Corps」

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