GENESIS LIVE 2022レポ

いよいよ後半へ

2-1:Wind machine

後半最初のプログラムは、『Platform〜The Junction of Life〜(2015年)』からのジャズ曲。青いベストの衣装で登場したメンバーが入れ替わり立ち替わりソロパートを披露する。

クールなイントロから始まるが、その後テンポは急加速。緩急が激しくまるでジェットコースターのようだ。ジャズ特有のスウィングも効かせて、グルーヴ感とともにプログラムが進んでいく。

前半にはなかったジャジーなサウンドは、GENESISのまた違った一面を感じさせる。

2-2:only in my memory

豪華客船を舞台に繰り広げられる男女の恋物語、そして沈没事故……世界中に感動を巻き起こした叙事詩的ロマンス災害映画をモチーフに作られたカラーガードステージ。

このプログラムもそうだが、カラーガードの衣装のバリエーションが豊富な点もこだわりを感じられた。

誰もが知るストーリーなだけに展開はある程度予想できてしまうものの、やはりクライマックスは胸に迫るものがある。むしろ誰もが知るストーリーだからこその表現の難しさもあったのではないだろうか?

2-3:2+1

暗転したステージ上にはマリンバが一台。タイトル通り、向かい合わせに立った二人のメンバーが連弾を始めた。心地よい緊張感と静けさが漂うホール中に、あたたかく美しい響きが満ちていく。

左:ドラムメジャーの伊達さん(前年度まではフロントピット
右:フロントピットのメンバー武野さん

先程までのとは一変し、ピンスポットライトのみのシンプルな演出だったが、返ってマリンバアンサンブルを堪能させてくれるプログラムだった。

2-4:Primrose drum&brass corps

次のプログラムはGENESIS内で発足したMini corps『Primrose drum&brass corps』によるパフォーマンス。マーチング・ドラムコーのド定番楽曲を披露した。

Primrose drum&brass corpsは、熱くカッコいいマーチングを魅せるために結成され、普段はやらないような選曲が見どころだという。

マーチングファンはいつもとは違うGENESISの一面を楽しめる上、メンバーは演奏楽曲の幅が広がり表現者として成長が期待できる非常に良い取り組みだ。

2-5:GUEST STAGE

熱いサウンドで盛り上がった場内に現れたのは、ゲスト出演のSENDAI Verduresのパーカッションメンバー。この日のために作った特別なプログラムを披露した。

少人数とは思えぬ迫力のあるサウンドと、息の合ったクリーンなビートは流石の一言。思わず体が動き出しそうになる。

曲の後半はGENESISパーカッションとのコラボ演奏。こちらも当日合わせとは思えぬ一体感で、パーカッションプレーヤーならずとも自ずとテンションが上がる完成度。双方の団体が映える良いプログラムだった。

2-6:ウイスキーが、お好きでしょ

ステージ上に下りた幕には、❝OPEN❞の文字とミラーボールの光。ムーディーな演出の中、ピアノとトランペットのデュオ(Tp:和田さん、Pf:手塚さん)が始まる。

ステージ下手袖に置かれたセットから奏でられるサウンドに、文字通り場内が酔いしれたプログラムとなった。

2-7:New Year’s Eve

いよいよLIVEも大詰め、2021年度ショー『New Year’s Eve』が始まる。

ドリルはステージ用にリライトされているが、アリーナサイズのショーを見た人であれば二度楽しめる。

むしろ照明やスクリーン映像も加わり、より一層パワーアップしたようも感じられた。

見事なソロにお茶の間からも大喝采。

むしろホール公演だからこそ楽しめる演出も(上手で双眼鏡を構えているのは……)

華々しく盛大なフィナーレでショーを締めくくる。もともと老若男女が楽しめる楽曲が詰め込まれたショーだったが、遊び心もあり、エンターテイメントとしてさらなる進化を遂げていた。

2-8:糸

最後のプログラムは、珠玉の名曲。ドラムメジャーの伊達さんの挨拶ののち、演奏が始まった。人とのつながりや様々な縁を想って紡がれるサウンドはとても美しく、心に響いた。
こうして全ての演目が終了したが、場内は拍手が鳴り止まず……

Encore

GENESISとVerduresのメンバーが登場し、アンコールとして合同で名曲を披露。大盛況で幕を閉じた。

コロナ禍でなければきっと大歓声が飛んだことだろう。

GENESIS LIVE2022は、豊富なレパートリーと確かな演奏技術で満足度100%の公演だった。照明や映像演出には非常にこだわりを感じられ、幕間の「甘酸っぱいストーリー」など観客を飽きさせない工夫が効いていたのも好印象だ。また、物販ブースの販売方法や、終演後に入隊説明会を実施するリクルーティングなど、他団体も参考になる点が多数見受けられた。

「日本らしさ」を表すショーとなるとサムライやキモノやサクラだったり、どちらかと言えば海外から見た日本のアイコンをモチーフにすることが多い印象だが、生活習慣やお茶の間で愛されてきた歌謡曲やテレビのテーマ曲も立派な「日本らしさ」の一つだ。GENESISの得意分野である「日本人にしか表現できない『新しい和物』ショー」には、これからも期待できそうだ。次回開催時はぜひ現地で観覧することをおすすめしたい。

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