【コロナ禍でのクラブ活動、子どもとマーチング】横浜市立中田小学校の場合(前編)

日本の小学生のマーチングバンドは、世界的に見ても非常にレベルが高い。特に東北地方と関東地方、中でも神奈川県は全国大会常連校が多い地域で、地区大会を勝ち抜くのも容易ではない。強豪校ひしめく地域の子どもたちは、一体どうやって練習を行っているのだろうか? 2020年11月下旬の少し風の強い日に、横浜市立中田小学校を訪れた。

小学生ながら、年長者が「背中で語る」練習環境

放課後になると児童たちが続々と校庭へ集まってきた。始まりの挨拶のあと、ブラスとパーカッション(バッテリー、ピット)に分かれ、セクション別の練習が始まる。

ブラスは、校庭を使ってドリルの確認。各パート、児童主体で練習が進んでいく。年長の児童は下級生にアドバイスを送ったり、動きのチェックなど忙しそうだ。寒さや疲れで集中力が散漫になってくると、「ちょっと、時間がもったいないよ!」なんて檄を飛ばす場面も。

一方ドラムは体育館で、バッテリーとピットに分かれて外部指導者からレッスンを受けていた。今回のショーは通常よりも練習時間が少なかったこともあり、皆必死に譜面をさらっている。

ここでもやはり年長の児童が積極的に動いていて、自分から行動する様子が見られた。年長の児童が真剣にやっていると、年少の児童が何かを察して大人しくなったりする場面も。

子どもたちのこうした姿勢について、6年前から中田小マーチングバンドの顧問を務める音楽教員の内野征治(うちの・まさはる)先生は、「私が赴任してくる以前から『先輩がちゃんと後輩を見る』という体制が出来ていて、クラブの文化として根付いているところがあるのでとても助かっています」と話す。

※撮影時のみマスクを外して頂きました

内野先生(以下、内野):「いつも子どもたちに言っているのは、『大会の結果が全てではない』ということです。後悔しない、やりきったなと思える演奏ができることがこの活動の中で大事なことかなと思います」

記事後編では、今後のクラブ活動の在り方についての先生・保護者それぞれの考え、そして今年からマーチングを始めた小3のルーキーが思う2020年についての意見などを紹介したい。

記事後編

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