【マーチングバンド解体新書】友情が生んだ大舞台 「青藍泰斗高等学校吹奏楽部 Blue Dippers」の甲子園応援記

甲子園での経験と絆が次の大会への糧に 青藍泰斗の挑戦は続く

応援に参加した奈良学メンバー、メロフォン担当の大堀浩太(おおほり・こうた:3回生)さんは、青藍泰斗の生徒たちについて「仲間を信じて一丸となる雰囲気がとても素敵だった」と話す。

大堀「皆さんが熱い気持ちで挑んでいる姿勢が印象的でした。野球部の選手たちも最後まで諦めず、全力でプレーする姿が輝いていました。35年ぶりの甲子園出場という特別な舞台で応援に参加させていただき、とても貴重な経験をさせていただきました。演奏や声援を通じて野球部員の力になれることを実感でき、奈良学メンバー一同熱くなりました!」

奈良学のメンバーから手渡された差し入れには、心のこもったメッセージが添えられていた。

序盤は点の取り合い、中盤からは投手戦となる息を呑む展開が続く。応援席も熱気に包まれ、野球部やサッカー部メンバーの応援団が声を張り上げた。友情応援バンドも演奏で支え、共に勝利を願う姿が見られた。

試合は九回で決着せず延長タイブレークに突入し、十回裏のサヨナラスクイズで青藍泰斗は4-5で惜敗。3時間超えの激闘に、スタンドからはねぎらいの拍手が送られた。同じ頃、SNSでは「青藍泰斗のブラスバンドがすごい」と話題になり、試合終了後にはX(旧Twitter)の国内トレンドで『青藍泰斗』のワードが5位に入った。35年ぶりの甲子園出場や鮮やかなユニフォーム、主将の佐川秀真(さがわ・しゅうま)遊撃手の守備なども注目されたが、応援演奏の存在感も大きかったようだ。

今回の経験について顧問の大澤先生はこう振り返った。

大澤「当初は吹奏楽部とOB・OGだけで応援に行く予定でした。しかし、『せっかくの機会なので、協力してくださる学校があればお願いしたい』という話になったんです。私は今年から顧問になったばかりで関西方面に知り合いもおらず、野球部の甲子園出場も35年ぶりということもあって、学校関係者の中にも詳しい人はいませんでした。そこで取材の流れで相談をさせていただきました。奈良学さんとは面識がありませんでしたが、現地では応援の経験も豊富でとても頼もしく、また『主役はあくまで青藍泰斗だ』と立ててくださり、本当にありがたく思いました。近年、吹奏楽部は他団体との交流がほとんどなかったのですが、今回の甲子園は貴重な交流の機会にもなりました。応援演奏への反響も大きく、生徒たちにとって良い刺激になりましたし、部としても大きな糧になったと感じています」

甲子園での経験は吹奏楽部員にとってかけがえのない財産となり、部の歴史としても長く記憶に残るものとなった。野球応援を通して生まれた新たな絆を胸に、青藍泰斗の生徒たちは秋の大会に向けて一層の練習に励んでいくことだろう。誰かのために演奏する喜びを知り、仲間と支え合いながら成長した彼らの姿は、聴く人の心を揺さぶる演奏へとつながっていくに違いない。

青藍泰斗高等学校吹奏楽部 Blue Dippers
Website
Instagram
Youtube

NARAGAKU Marching Band
Website
X
Facebook
Instagram
Youtube

1 2 3

keyboard_arrow_up

Pearl