【マーチングバンド解体新書】沖縄から世界へ 輝きを放つ「Color Guard Team MINERVA」

「知ってるようで知らないマーチングバンド、ドラムコーの現状」を団体関係者に直接インタビューし、正しい情報を広く詳しく発信する企画、【マーチングバンド解体新書】シリーズ。今回は沖縄県で活動する『Color Guard Team MINERVA』を紹介する。

マーチングバンド解体新書 過去記事はこちら

Color Guard Team MINERVAについて

団体正式名称:Color Guard Team MINERVA(カラーガードチーム ミネルヴァ)
団体所在地:沖縄県宜野湾市
創設年:2014年
団体の編成:カラーガード
創設目的:中学校や高校を卒業後、沖縄県内でマーチングを続ける新たな選択肢を提供するため
活動理念:「カラーガードを通じて、それぞれの日常に輝きの場を創出すること」を目的に活動しています。高校生から社会人までがまったく異なる日常を送っているなかで、カラーガードに挑戦して互いに技を磨くことで成長し、マーチングを通じて日常でも輝ける人材になれればと考えています。

今回はMINERVAのディレクター・ドリルデザイナーを務める伊藤空(いとう・そら)さんにお話を伺った。MINERVAの活動は、伊藤さんの妻であり、コレオグラファー・インストラクターの美和さんと共に行っている。

伊藤:「沖縄県では、マーチングバンドをやるとしたら学校の部活動がほとんどです。そこからカラーガードをやるための選択肢を増やしたい、部活動以外でもカラーガードができる環境を作りたいという考えに至り発足しました。団体名である『MINERVA(ミネルヴァ)』は、ローマ神話に登場する戦争の女神が由来で、力強さをイメージしています」

他の団体にはない「MINERVAならでは」なエピソード

伊藤:「高い手具の技術はMINERVAならではの持ち味です。2020年に開催されたカラーガード全国大会では、WGIのジャッジに審査していただいた結果、Equipment Analysisで1位をいただきました。もっと誇っていいと思っているんですが、メンバーは特に結果を気にするでもなく、ひた向きにどんどん新しいことにチャレンジしています……!」

伊藤:「そんなメンバーの輝いている姿を積極的にSNSで発信しています。最近ではInstagramのフォロワー数が5,000人を超えました!海外からもいつもたくさんの方が反応してくれています」

MINERVAは沖縄県にあるため、全国に向けてどのようにアピールするかを考え、SNSを駆使して団体情報を積極的に発信しつづけている。特にInstagramは必見だ。ぜひ一度チェックしてみてほしい。

 

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関係者が答えます!活動状況Q&A

1.練習について

Q.全体練習の頻度はどれくらい?
A.週1回(土日どちらかなど)

Q.練習場所はどんな場所?
A.屋内

2.メンバーについて

Q.現在所属しているメンバーは何名いますか?
A.~10名

Q.メンバーの平均年齢はどれくらい?
A.19~22歳

Q.新規加入は例年何名くらいいますか?
A.~10名

Q.脱退(シーズン途中を含む)は例年何名くらいいますか?
A.~10名

Q.所属メンバーの居住地について教えて下さい
A.団体所在地「内」の都道府県から通っている

伊藤:「メンバーは真志喜中学校(宜野湾市)や具志川中学校(うるま市)、⼩禄⾼校(那覇市)、⼋重⼭⾼校(⽯垣市)などのマーチングバンド部出身の沖縄県民で、2021年度現在は17歳から28歳の8名が在籍しています。比較的継続年数は長めで、受験のため活動参加を一時休止して復帰するメンバーもいます」

3.実際に加入するためには

Q.年齢制限はありますか?
A.高校生以上から入団のご相談を受け付けています。

Q.加入に際しオーディションを行っていますか?
A.オーディションなどは無く、未経験の方の受け入れ実績も多くあります。経験の有無を問わずMINERVAの活動理念に共感してくださる方を歓迎しております。

MINERVAの振り付けや演技構成のレベルが非常に高いが、なんと未経験者も参加OKだという。

伊藤:「全国⼤会で⼿具の技術の評価1位を獲った年、実はカラーガード未経験のメンバーが二人いたんです。MINERVAでは振り付けをメンバー一人一人のレベルにあわせて設計するので、未経験者の方は無理ないように、経験者の方はチャレンジをする形で作ります。多少リスクはあっても難易度はキープし、ジャッジの傾向なども分析してショーを作っているので結果を出せていますし、各々がやりがいを感じられると思います」

Q.一年間でメンバーが団体に支払う費用は概算でどれくらい?
A.~10万円程度

伊藤:「活動費用は月3,000円、基本的にそれ以上を徴収することはありません(大会などで遠征などがある場合は別)。手具も団体のものを使用していて、衣装は既製品を活用しています。団体として最も予算がかかる部分はプロップやフラッグですね」

その他加入に際し特別なルールはないということだが、原則として「出席は重視している」とのこと。とはいえ、練習日は強制参加というわけなく、スケジュール調整と申告は前提として行うということだった。学生メンバーはテストや学校行事などの予定を事前に伝達しているので、行事を避けた形で練習日程が組まれているそうだ。

伊藤:「事前にきちんと申告してもらえれば、家族旅行などで練習をお休みしてもOKです。プライベートと活動を両立してこそ、充実した日々が送れますからね」

コロナ禍での活動について聞いてみました

Q.2020年はどのような活動を行いましたか?
A.マーチング協会主催の大会には参加しませんでしたが、動画での作品発表に挑戦するなど、2020年度でなければできない特別な活動を行っておりました。YouTubeでご視聴いただけますのでお時間のある方はぜひご覧ください!

Q.2021年度の活動はどのように行う予定ですか?
A.2021年度は大会にも参加しますが、主催イベントの開催など新しいことにもチャレンジしたいと考えております!

Q.2020年度の大会参加状況について教えて下さい
A.元から参加予定がなかった

Q.2021年度の大会参加予定について教えて下さい
A.可能な限り参加予定

Q.コロナ禍で困っていることは何ですか?
A.人前で演奏演技を披露する機会が減った、またはなくなった(大会を含む)

伊藤:「練習後や休日にみんなでご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりしづらいのがちょっと残念ですが、メンバーはみんな大きくモチベーションを落とすことなく、その時その時でできることと真摯に向き合って活動してくれました」

Q.コロナ禍で活動する意味をどのように考えていますか?
A.コロナ禍でもMINERVAが活動することの意味は変わらず、「カラーガードを通じて、それぞれの日常に輝きの場を創出すること」です。

この理念をメンバー全員が理解しているからこそ、どんな環境の変化が起きても常にその時の自分と向き合い、変化・適応して成長できるのだと思います。

そんなメンバーたちの輝く姿が一人でも多くの方の目に留まり、その人の背中をちょっとだけ押せるような活動ができたらいいな、と考えております。

伊藤さんの話を聞いて、MINERVAの「カラーガードを通じて、それぞれの日常に輝きの場を創出すること」というコンセプトはとても素晴らしいものだと感じた。部活動などの練習に打ち込みすぎて、家族行事や学業を疎かにしてきた経験のある人もいるだろう。熱心に取り組むことは悪いことではないが、バランスは大切だ。MINERVAはメンバー一人ひとりが高いレベルで両立できているからこそ、全国レベルのパフォーマンスが成立するのだろう。

今年度の大会参加を予定しているということなので、観戦機会があったらぜひショーを観てほしい。

「Color Guard Team MINERVA」

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