【強豪校の秘密に迫る】神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部「White Shooting Stars」(前編)

今や全国大会の上位常連校となった、神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部「White Shooting Stars」。圧倒的クオリティの高さから、日本国内だけでなく海外のマーチングファンをも魅了している。県立高校の部活動のレベルを超えたパフォーマンスはどうやって生み出されているのだろうか? また、今年はコロナ禍でどのような活動を行ってきたのか? 実際に練習を見学し、その秘密に迫った。

※取材日は2020年11月下旬

日本一になるためには、日本一の練習を

この日の練習、午前中はセクション別アップ後に全体練習、昼休憩後はドレスリハを行っていた。12月に開催予定のJapan Cup出場へ向けて、練習も大詰めといったところだ。

各練習を通して部員たちの集中力はとても高く、大会前特有の焦りも見られなかった。また、私語や無駄な言動が少なかったことも印象的だ。限られた練習時間の中で何ができるか・何をすべきか、一人ひとりが目的意識を高いレベルで共有できているように感じられた。

2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、日本中の学校が登校停止や分散登校という形での学校生活を余儀なくされた。マーチングバンドのように大勢の人が集まって活動するような部活動は、モロにその影響を受けてしまう。湘南台高校もその一つで、1年生の勧誘を含め部活動を再開できるようになったのは7月上旬からだったという。

そんな異例づくめの代で部長を務めるベースドラム担当の清水晃(しみず・ひかる)くんは、大会に向けての想いをこう語る。

「今年は例年より3ヶ月以上遅いスタートとなってしまいましたが、始動が遅くなったのは自分たちの学校だけではありません。12月の本番(Japan Cup)では、観客の皆さんに『今年は練習時間が短かったし、この程度だよね』という見られ方はされたくないなと思っています」

「個人的にも部としても、『日本一』は絶対に揺るぎない目標として掲げて練習に取り組んでいます。僕の思う『日本一』って、誰よりも頑張って誰よりも形に出来てこそ得られるものだと考えているんですが、メンバー一人一人が自信を持ってここまでやってきたといえるショーこそ日本一に値するものだと思うので、残り僅かな時間を大切に過ごして結果に繋げていきたいです」と、穏やかながら頼もしい表情を見せてくれた。

フロントピットの船場千珠(ふなば・ちず)さんは、小学校からマーチングを始め、マーチングバンドに憧れて湘南台へ入学したそうだ。

「ピットはいろいろな楽器を演奏できるので、曲によって鍵盤だったりシンバルだったり様々な楽器を担当できるのが醍醐味ですね。今年の曲は今までと違ってヴィブラフォンとマリンバの掛け合いや、リズムの調和がとてもきれいな箇所が多いんです。ピット内でのアンサンブルが魅力なので、注目していただけるとうれしいです」と笑顔で語った。

ドラムメジャーを務める三年生の川見彩乃(かわみ・あやの)さんは、「日々の練習では自分が出せるものをしっかり発信して、本番に繋げていきたいです。後悔だけはしたくないですね」と言う。

また、ドラムメジャーというポジションについては、

「ドラムメジャーは指揮を振るだけに見られがちですが、その曲自身を演じているような気持ちになれるんです。ショーを見るときにドラムメジャー単体に注目するということはあまりないと思いますが、表情や指先などにも変化を付けています。私はドラムメジャーとしてメンバーをしっかりまとめる存在になりたいです。お客さんが私たちのショーを見るときには、自分を介してお客さんたちにメンバーの表現を伝えたいと思っています」と話してくれた。

記事後編では、圧倒的に練習時間が少ない中でどのような工夫を行ってきたか、コロナ禍で最後の一年を過ごす三年生の想いなどをお伝えしたい。

記事後編

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