
小学生の部(小編成20団体・大編成10団体)と中学生の部(小編成11団体・大編成8団体)が実施された。観客席は200レベルのみ使用され、当日券の販売はなし。進行は終始スムーズで、小学生の部終了時に客席入れ替えが行われた。
小学生の部では、低学年と思われる体格の児童が増えたように感じた。実際に、1年生がメンバーとして活動している団体もあり、プレーヤー層の広がりを実感した。どの団体も、児童に無理のないレベル設定の中で、全国大会にふさわしいクオリティのパフォーマンスを披露しており、毎年のことながら指導者やクリエイター陣の創意工夫には頭が下がる。衣装や小道具、プロップ等大道具にも細やかなこだわりが感じられ、団体を支える保護者の努力も強く伝わってきた。
小編成では、小学生とは思えない表現力のうるま市立高江洲小学校マーチングバンド部(沖縄支部・沖縄県)や、藤崎町立常盤小学校スクールバンド(東北支部・青森県)のどっしりと迫力あるサウンドに観客席が沸いていた。
大編成は例年通りどの団体も楽曲の難易度が高かった印象だが、J-POPやアニメソングなどを取り入れた福島市立吉井田小学校マーチングバンド部(東北支部・福島県)のショーは子どもらしさにあふれ、会場が温かい拍手に包まれた。

うるま市立高江洲小学校マーチングバンド部(沖縄支部・沖縄県)

藤崎町立常盤小学校スクールバンド(東北支部・青森県)

福島市立吉井田小学校マーチングバンド部(東北支部・福島県)
中学生の部は観客入れ替え後に定刻通り開始された。部活動の地域移行や教員の働き方改革の影響が懸念される中、想像を超える充実したパフォーマンスが続き、全体のレベルアップが実感できた。コロナ禍の2020〜21年ごろに活動を始めた世代が困難を乗り越えて力をつけてきた成果だろう。演出面では、近年過剰傾向にあったプロップ等の大道具やLEDライト等の特殊効果の数々について落ち着きが見られ、むしろ使い方や使いどころに工夫を感じられた。
小編成では、中央区立日本橋中学校吹奏楽部(関東支部・東京都)が2大会連続で金賞・編成別最優秀賞/埼玉県知事賞を受賞、大編成では綾北“Mercury winds”(関東支部・神奈川県)が4大会連続となる金賞・編成別最優秀賞/埼玉県知事賞を受賞した。日本橋中学校は10月に宇都宮で開催された『第73回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)』にも出場しており、座奏とマーチングの二刀流での活躍を見せた。昨年サブアリーナで動画撮影を行った観音寺市立大野原小学校・観音寺マーチングバンド Humming Wind(四国支部・香川県)は、これまでになく力強いファーストプッシュが非常に印象的で、これからの団体の成長に期待したいと思えた。

中央区立日本橋中学校吹奏楽部(関東支部・東京都)

綾北“Mercury winds”(関東支部・神奈川県)

観音寺市立大野原小学校・観音寺マーチングバンド Humming Wind(四国支部・香川県)
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