【マーチングバンド解体新書】日本一元気で笑顔あふれるバンド「箕面自由学園高等学校吹奏楽部GOLDEN BEARS」

「知ってるようで知らないマーチングバンド、ドラムコーの現状」を団体関係者に直接インタビューし、正しい情報を広く詳しく発信する【マーチングバンド解体新書】シリーズ。

今回紹介するのは、2026年1月のローズパレードに出演した『箕面自由学園高等学校吹奏楽部GOLDEN BEARS』だ。遠征時のエピソードはもちろん、日頃の活動やどんな部員がいるかなど、音楽監督を務める福里大輔(ふくざと・だいすけ)先生からお話を伺った。

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箕面自由学園高等学校吹奏楽部GOLDEN BEARSについて

団体正式名称:箕面自由学園高等学校吹奏楽部GOLDEN BEARS(ミノオジユウガクエンコウトウガッコウスイソウガクブ ゴールデンベアーズ)
団体所在地:大阪府豊中市
創設年:1991(平成3)年に同好会として発足し、1993(平成5)年4月から部活動へ
団体の編成:ブラス、パーカッション
編成詳細は以下のとおり
金管:Tp,Hr,Tb,Euph,Sousa
木管:Cl(Es,♭B,Alto,Bass),Fg,Ob,Fl,Picc,Sax(Alto,Tenor,Bari)
弦楽器:Cb
打楽器:SD,BD,Cym,Glock(フロントピットなし)

活動理念:「自由の大地に響く心、響き合う心」をモットーとし、地域の方からも愛されるバンドを目指す
GOLDEN BEARS 2025 スローガン:NO LIMIT!/日本一!世界一!/いつもワクワク!ドキドキ!ズキズキ!/ビッグウェーブに乗っちゃえばええねん!/未曾有のGOLDEN BEARS SHOW!/夢を語り合う仲間、夢を支え続けてくれる人に音(恩)返し!/音楽がつなぐ世界中の笑顔☺️

箕面自由学園高等学校(以下、箕面自由学園)は、2025(令和7)年に100周年を迎えた私立の共学高校(中高一貫)で、難関大を目指す進学コースから部活動で日本一を目指すクラブ探究コースまで多彩なコースが設置されている。強化指定クラブは吹奏楽部、アメリカンフットボール部、チアリーダー部、男子バスケットボール部、男子バレー部の5つが対象となっている。

1991(平成3)年にアメリカンフットボール部が全国大会に出場することとなり、本場アメリカのカレッジスタイルを踏襲する形で、ブラスバンドとチアリーダーによる応援を行うこととなったのが吹奏楽部創設のきっかけである。1993(平成5)年4月から部活動として始動するようになって以降、全日本マーチングコンテスト(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)出場常連校として知られる。2025(令和7)年7月には、先述の強化クラブとともに箕面市の特命大使「箕面元気・勇気・笑顔大使」に就任。とにかく明るく元気な関西っ子気質が特徴で、見る人を元気にするバンドとして人気を博している。

他の団体にはない「箕面自由学園ならでは」なエピソード

箕面自由学園は、学校行事や大会出場だけでなく、イベントや遠征にも積極的に取り組んでいる。地元大阪で開催された「2025年日本国際博覧会(2025年大阪・関西万博)」などの地域イベント出演や今回のローズパレードのような海外遠征だけでなく、音楽療法士と連携して地元地域の介護施設での訪問演奏や、東日本大震災で被害を受けた地域に出向いて公民館や学校施設などで演奏活動を継続して行うなど、ボランティアにも積極的に取り組んでいる。

これまでのボランティア活動が評価されたことから、2026(令和8)年1月1日にアメリカ・カリフォルニア州で開催されたローズパレードへの参加が実現した。今回の出演は、学校の創立100周年記念事業の一環として行われ、チアリーダー部やバンドのOB・OG60名も共に出演した。現地ではパレードのほか、フィールドショーやコンサートの演奏も披露したという。

福里:パレードだけでなく、パサディナ・シティー・カレッジにてフィールドショー、ケネディ・カトリック高校でのチャリティーコンサート、生徒たちはホームステイをさせていただいたりと、貴重な体験をさせていただきました。現地の方々はどこに行っても暖かく迎えてくださったことが非常に印象的でした。

ローズパレードの開催地は年間を通じて雨の少ない地域だが、パレード当日は珍しく未明から強い雨が降り続いた。パレードのクライマックスでは星条旗のコレオを作りながらJ.スーザの『星条旗よ永遠なれ(The Stars and Stripes Forever)』を演奏する予定だったが、持参した雨合羽を着ていてはせっかくのコレオがわかりづらいということで、ずぶ濡れ覚悟で合羽を脱いで衣装で本番に挑んだそうだ。

福里:あんなに雨に打たれたことは人生でも初めての経験でした。それほど強い雨でしたが、気温が低くないため体は冷え込まず、むしろ湿度もあってかえって良かったくらいでした。生徒たちも体調を崩すことなく無事にパレードを終えることができましたし、観客に向かって手を振ったり元気にパフォーマンスをしていました。星条旗は大成功で、大歓声をいただくことができました。部活動に取り組む上で、生徒には大会に向けて励むことだけでなく様々な経験をしてほしいと思っているので、非常に良い遠征となりました。

関係者が答えます!活動状況Q&A

1.練習について

Q.全体練習の頻度はどれくらい?
A.週3日以上(平日放課後など)

Q.練習場所はどんな場所?
A.屋内

福里:練習は放課後ほぼ毎日ですが、週に1日休みがあります。校内の練習場は狭いので、ポイントの間隔を狭くして使用したりしますが、大会シーズンは外部の体育館を借りて練習することが多いです。以前はグラウンドなど外でも練習をしていましたが、昨今の気候ではそれも難しくなりました。

2.メンバーについて

Q.所属メンバーの居住地について
A.団体所在地「内」の都道府県から通っているメンバーが多い

Q.現在所属しているメンバーは何名いますか?
A.86名(2025年度)

以前は京都府や奈良県から通う生徒もいたが、現在はほとんどが大阪府内在住で、兵庫県(伊丹市、宝塚市、尼崎市、西宮市)も若干名いるとのこと。

3.実際に加入するためには

Q.加入に際してオーディションを行っていますか?
A.行わない(未経験も可)

福里:クラブ探究コース在籍の生徒は経験者のみで、楽器テストもあります。テストは技術の優劣でふるいにかけるようなものではなく、やる気や強い意思を持って取り組んでくれるかを見極めるためのものです。現在の部員はほぼ全員が経験者ですが、やる気があれば初心者でも歓迎します。過去には初心者として入部して音大へ進学した生徒もいました。

Q.一年間でメンバーが団体に支払う費用は概算でどれくらい?
A.21~25万円

部費は年額約24万円(月2万円程度)で、支払い方法はそれぞれの希望で分割等に対応。部費の用途は外部の体育館の使用料と、移動時に使用するバス代となっている。その他、遠征費用など活動状況に応じて徴収するが、その際は早めに保護者に通達している。
また、衣装は着用頻度が高いことから個人購入となっており、初年度には衣装代が別途必要となる。経験者がほとんどのため個人所有の楽器を使用する生徒がほとんどだが、打楽器や大型楽器については学校からレンタルができるそうだ。

Q.その他、活動参加に際し必要な条件があれば教えて下さい
A.欠席が多いと本番には参加できない

日頃の活動や今後について聞いてみました

Q.普段、どのような本番に参加していますか?
A.
・全日本吹奏楽連盟(吹連)主催大会
・地域イベント(地元のお祭りなど)
・企業イベント
・スポーツイベント(プロチーム主催ゲームのゲスト演奏など)
・他の部活動の応援演奏
・演奏会などの自主公演
・その他:ボランティア活動

Q.将来的に挑戦したい(または現在企画している)ものがあれば教えてください
A.
・マーチングステージ全国大会(M協主催)への出場
・吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟)への出場
・全日本マーチングコンテスト(吹連・朝日新聞主催、通称:パレコン)への出場
・活動拠点の地域で行われるご当地イベント(お祭りなど)への参加
・海外で行われる音楽祭や芸術祭などの出演
・テーマパークやスポーツイベントなどへの出演
・自主事業(コンサートやイベントなど自ら企画し実施するもの)の開催
・動画や写真などのコンテンツ制作
・本番や大会など対外的なものではなく、資金調達や活動環境の向上など団体内に還元できるもの

Q.いま一番困っていることは何ですか
A.練習場所がない・見つからない

福里:練習場所もそうですが、これから公立中学校の部活動の地域移行が進んでいったときにどうなるのかを憂慮しています。大阪府内でも本校のある北摂地域では地域移行が進んでおり、近いうちに部活動が完全になくなって、「吹奏楽部」を知らない生徒たちだけになります。部活という入口があったから吹奏楽を知った・始めたという生徒も多いでしょうし、その入口がなくなったとき吹奏楽人口にどのような影響が出るのかと思うと心配になりますね。やる気のある生徒の行き場をなくさないためにも独自の取り組みをしていかなければと思います。

部活動のかたちが変わりつつある今、子どもたちが音楽と出会い続ける環境を守るうえで、箕面自由学園のような伝統ある強豪校の存在はますます大きくなっている。大会の場だけでなく、地域イベントやボランティア、海外遠征など、あらゆる場所で演奏を届けること――その積み重ねこそが、地域の芸術文化を支え、子どもたちがやる気を思いきりぶつけられる場所を未来につないでいくはずだ。これからの箕面自由学園の歩みにも、いっそう注目していきたい。

「箕面自由学園高等学校吹奏楽部GOLDEN BEARS」

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