小学生の部:小編成では小学生とは思えないハイレベルなソロがあったり、楽器や手具を何度も持ち替えるユーティリティープレーヤーがいたりと、非常に見応えがあった。大編成は非常にクオリティが高かったが、関東大会でも圧倒的パフォーマンスを見せた横浜市立下野庭小学校マーチングバンドの実力の高さが光った。
横浜市立下野庭小学校マーチングバンド
また、部門全体を通して東北勢の勢いを感じられた。小学生の部27団体(小編成23団体、大編成4団体)のうち、最多となる11団体(小編成9団体、大編成1団体)が東北地区からの参加だった。東北勢は地域の民謡や郷土文化を盛り込んだショーを披露した団体が多く、藤崎町立常盤小学校スクールバンドからは団体のバックグラウンドがよく伝わった。こうした「ご当地感」を伝えるショーこそ、国内外から多くの観客が集まる全国大会で披露する価値が大きいのではないだろうか。
藤崎町立常盤小学校スクールバンド
中学生の部:17団体中10団体が関東支部で、あとの7団体は東北・東海・北陸・関西・中国・四国・沖縄支部から各1団体ずつの参加だった。各支部の出場団体が個性豊かで素晴らしいショーを披露していたので、欲を言えば出来ればもっと全国から多様な団体のパフォーマンスを観たいところだ。小学生の部の多さと比べると東北勢が1団体というのは寂しく感じられるが、大仙市立大曲中学校吹奏楽部は支部代表の名に恥じないパフォーマンスで、中でもファーストプッシュは何度でも観たい・聴きたいような名演だった。
大仙市立大曲中学校吹奏楽部
やはり小学生と比べると運動量の差は如実に感じられる。どの団体も個性と実力を兼ね備えており、全体的にコロナ前よりも表現力が豊かになっているように感じられた。中でも部門別最優秀賞団体は魅せることに秀でており、小編成の石垣市立石垣第二中学校吹奏楽・マーチングバンド部、大編成の綾北 “Mercury winds”は、どちらも強烈なインパクトを残した。
石垣市立石垣第二中学校吹奏楽・マーチングバンド部
綾北 “Mercury winds”
出場団体の皆様、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。