一般の部(小編成6・中編成3・大編成11)と高等学校の部(小編成7・中編成14・大編成9)が行われた。客席は400レベルまで開放され、当日券販売もあったが、高校の部は早々に完売。進行自体は順調だったが、入れ替え時に混雑が目立った。
一般の部は個性豊かなテーマと選曲が並び、各団体の高い基礎力や美しい動作が際立つショーの数々だった。近年は合同練習をはじめとする一般団体と学生団体の連携は活発になりつつあり、今後の相互発展に期待が寄せられる。
大会結果は、小編成ではKANUMA SATSUKI DREAMERS Marchingband(関東支部・栃木県)が4大会連続となる金賞、編成別最優秀賞/フォトチョイス賞/ヤマハ賞を受賞。中編成ではGENESIS(関東支部・埼玉県)が一般の部・中編成創設以降2大会連続となる金賞、編成別最優秀賞/フォトチョイス賞/ヤマハ賞を受賞。大編成では創価ルネサンスバンガード(関東支部、東京都)が金賞、編成別最優秀賞を受賞。19度目となるグランプリ、内閣総理大臣賞を手にした。

KANUMA SATSUKI DREAMERS Marchingband(関東支部・栃木県)

GENESIS(関東支部・埼玉県)

創価ルネサンスバンガード(関東支部、東京都)
2008年以来17年ぶりの出場に意欲を燃やしていたMARCHING BAND COURAGE(関東支部・茨城県)は大会二日目のトップバッターとして明るく入場し、終演後も笑顔で退場。全国大会を心から楽しむ姿が印象的だった。

MARCHING BAND COURAGE(関東支部・茨城県)
高等学校の部は開場と同時に多くの観客が詰めかけ、大きな熱気に包まれた。大編成の中盤からフロア補修などの対応が入りつつも、進行に支障をきたすようなものではなかった。また、中学生の部と同様にフロアシートやプロップの使用に工夫が感じられるようになり、すっきりとした印象を受けた。
大会結果は、小編成では山陽女学園高等部マーチングバンド部(中国支部・広島県)が26年ぶりに金賞、編成別最優秀賞/フォトチョイス賞/ヤマハ賞を受賞。中編成では茨城県立大洗高等学校マーチングバンド「BLUE-HAWKS」(関東支部・茨城県)が3大会連続となる金賞、編成別最優秀賞/フォトチョイス賞/ヤマハ賞を受賞。大編成では埼玉栄中学・高等学校マーチングバンド(関東支部・埼玉県)が金賞、編成別最優秀賞/グランプリ/文部科学大臣賞に輝いた。

山陽女学園高等部マーチングバンド部(中国支部・広島県)

茨城県立大洗高等学校マーチングバンド「BLUE-HAWKS」(関東支部・茨城県)

埼玉栄中学・高等学校マーチングバンド(関東支部・埼玉県)
高等学校の部の応援の盛り上がりは年々熱を帯びており、コロナ禍を経て声出し応援が復活したのは喜ばしく感じる一方、歓声が静寂の瞬間をかき消す場面も度々見られた。演奏の繊細な余韻やコントラストを楽しむためにも、観覧時のマナーや応援のあり方について考える必要があるように感じた。
そんな中、関東学院マーチングバンド(関東支部・神奈川県)のオープニングや、沖縄県立西原高等学校マーチングバンド(沖縄支部・沖縄県)のカラーガードソロは、圧倒的な世界観によってアリーナに静寂を生み出しており、大会二日間を通じて強く印象に残った。

関東学院マーチングバンド(関東支部・神奈川県)

沖縄県立西原高等学校マーチングバンド(沖縄支部・沖縄県)
コロナ禍以降最多となる99団体が出場した第53回大会は、近年でも特に盛り上がりを見せた大会となった。年齢層・ジャンルともに多彩で、高い完成度のショーが次々と繰り広げられるM協全国大会は、世界的にも稀有な存在だ。
来年の名古屋開催ではどのようなストーリーが生まれるのか、今から期待が高まる。
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