高等学校の部:前年比で唯一参加団体数が減ったのが高等学校の部(小編成は+2だが、中編成-2、大編成ー2団体)。全国大会出場枠は限られており、団体数が減っても熾烈な戦いとなったが、各団体それぞれが「らしさ」をしっかりと表現できていた。中でも星野学園中学・星野高校吹奏楽部マーチングバンド(中編成)のインパクトは強く、SNS等でも話題になっていた。演奏を終えたあとの退場に至るまでショーマンシップに溢れていたのは、二日間でも印象に残ったのは星野くらいではないだろうか。
星野学園中学・星野高校吹奏楽部マーチングバンド
部門別最優秀賞の各団体についても、それぞれの持つ「らしさ」が光った。鎌倉女子大学中等部・高等部マーチングバンド(小編成)はショービジュアルとサウンドがマッチしたしなやかな美しさがあり、茨城県立大洗高等学校マーチングバンド「BLUE-HAWKS」(中編成)は高速でのドリル展開に力強くドラマチックなサウンドで魅せ、神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部 White Shooting Stars(大編成)は目まぐるしく動くドリルと譜面で最初から最後までワクワクさせてくれた。いずれの団体も全国大会でどこまで精度を上げてくるのか楽しみだ。
鎌倉女子大学中等部・高等部マーチングバンド
茨城県立大洗高等学校マーチングバンド「BLUE-HAWKS」
神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部 White Shooting Stars
一般の部:高等学校の部同様に「らしさ」全開という点に加えて、今回は「大人の本気」を感じられる大会だった。コロナ禍も明けて練習頻度や大会などの本番回数も増えてきたためか、身内向けではなく「お客さんのためにする大人のパフォーマンス」ができている団体が多い印象があり、何より、どの団体も「見る人を置き去りにしない」ショーだった。また、松本シティーマーチングバンド(小編成)とYokohama INSPIRES Drum&Bugle Corps(大編成)には、真正面から有名楽曲に挑むというあたりに気概を感じた。
松本シティーマーチングバンド
Yokohama INSPIRES Drum&Bugle Corps
部門別最優秀賞のSATSUKI DREAMERS Marchingband(小編成)は、昨年に比べ人数が減っていたが、スケールダウン感がなく、とてもエネルギッシュな姿を見せてくれた。熱い気持ちを込めたパフォーマンスに心掴まれた人も多いだろう。YOKOHAMA ROBINS(大編成)は魂を抜かれるような壮絶なショーだった。テーマからして難易度の高いものだと予想できたが、関東大会でここまでのものを作れるのかと驚くほどのクオリティだ。全国大会でも歴史に残るショーを見せてくれるに違いない。
SATSUKI DREAMERS Marchingband
YOKOHAMA ROBINS
特別演奏演技の創価ルネサンスバンガードは『HOKUSAI』を披露。安定のクオリティ以上に感心したのは、コンテスト参加ではなくても一切の妥協がなく、奢らぬ姿勢だ。テーマに対しわかりやすく安易なプロップなどは用いずに、常に新しい表現に挑戦しており、素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれた。
創価ルネサンスバンガード
出場団体の皆様、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。